『小説家になろう』では完結済み、埴輪星人さんの『フェアリーテイル・クロニクル』の3巻巻を読了したので感想まとめ。
あらすじ
大人気VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』によく似た異世界に飛ばされてから二カ月。クラフト職人・東宏(あずま・ひろし)とパートナーの藤堂春菜(とうどう・はるな)は、これまでの王室への功績が認められ、他のメンバー達とともに城で国王から歓待を受けていた。
一方、第四王女・カタリナとその側近・バルドは、度重なる作戦の失敗に業を煮やしていた。
「あの忌々しい者達……特にあの宏という男さえいなければ……」
大国ファーレーンを震撼させる大事件、その足音は間近まで迫っている――。
いよいよファーレーン編完結となる第三巻! いかにも重そうでシリアスな単語が並びつつも、そこは安定の“フェアクロ”クオリティ。宏達のマイペースっぷりは変わらない!
―MFブックスの商品ページより
項目点
文章 | 6点 |
ストーリー | 6点 |
独自性 | 5点 |
キャラ | 6点 |
満足度 | 6点 |
合計:29点/50点満点
感想
結局、3巻を費やしてのファーレーン編。
1巻~2巻と引っ張ってきた、黒幕との大規模戦闘がメイン。ファーレーン編完結ということで、これまでの中では一番読み応えがあった。
最終的に、主人公の一種の覚醒により、ビシッと決着をつけることが出来ているのも◎。
ただし、細かいイベントが発生し、かなりの紆余曲折を経験している主人公たちではあるものの、異世界に転移してきて2ヶ月、最初の街で進行したイベントの最後のボスにしては、かなり強かった(バランスが悪かった)のでは?という気もする。
また、後半の3分の1は「後日談」なのだが、戦後処理というよりは、主人公たちが次の街へ旅立つまでの日常パートといった印象なので注意。
それにしても、一区切りつけるまでに3巻、というのは、ストーリー展開のスピード感をもとめる人にとっては辛い長さかもしれない。
もともとネット小説で章ごとの文章量がわかっているのだから、「ファーレーン編・前編」みたいなサブタイトルをつけても良かったのではないろうか?
総合評価
【B】
「俺TUEEE!系」ほど無双するわけでもなく、「成り上がり系」ほど苦労するわけでもないため、ストーリーに「テンポ(盛り上がり)」を求める人にはちょっと退屈かも?
逆に、日常パートにおける「雰囲気(生活感)」を重視する人には、しっかりと読める作品な印象。