『小説家になろう』で連載中、海道左近さんの『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』の1巻を読了したので感想まとめ。
また、HJ文庫でもイチオシの作品ということで特設サイトもあります。
あらすじ
君が望んでいた冒険がここにある――
各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>。人と間違うような、確かにその世界に息づくNPCたち<ティアン>。そんな夢のようなシステムを備えたダイブ型VRMMO<Infinite Dendrogram>は、瞬く間に一大ムーブメントとなって世界を席巻し、数多くのユーザーがこのゲームを楽しんでいた。
大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、受験勉強の終了を記念して、かねてより兄に誘われていた<Infinite Dendrogram>を起動する――。
―HJ文庫の商品ページより
項目点
文章 | 8点 |
ストーリー | 9点 |
独自性 | 9点 |
キャラ | 8点 |
満足度 | 9点 |
合計:43点/50点満点
感想
本作の特徴は「世界観の練り込み」と「可能性」。
舞台となるのはソードアート・オンラインに代表されるダイブ型(完全没入型)VRMMOのオリジナル作品。
プレーヤー1人1人のリアルスキルや考え方に合わせて生まれる<エンブリオ>というサポート能力は、武器や防具、道具などのTYPE:アームズや、プレーヤーが登場する乗り物型のTYPE:チャリオッツなど、千差万別。
7つの国やそれぞれのキャラを特徴づける<エンブリオ>など、『小説家になろう』で連載していた=素人が考えたとは思えないしっかりとした世界観。
また、主人公の性質も「まさしく主人公」。
どんなに絶望する状況であったとしても、逆転の可能性が1%でも有るのならその困難に立ち向かっていく。
1巻の中でも、<エンブリオ>を手に入れるまでの序盤の戦闘、<エンブリオ>を成長させるための終盤の戦闘それぞれに、可能性を掴み取るためにあがくヒーローの姿が見事に描かれている。
今後の展開が非常に楽しみな良作。
総合評価
【S】
Web連載版と書籍版の違いは、ストーリー展開においてはそこまで大きくはない。
ただし、余分な表現が削られるなど読みやすくなっているとともに、オリジナルの世界観を補完するための挿絵の効果が非常に大きい。
いきなりWeb連載版を読むより、書籍版を読んでからの方がより一層、楽しむことができるものと思われる。
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